聞いたことのないお店だけど・・・
近くみたいだし、
まずは行ってみることにした。
にぎやかな通りから1本向こう側に渡ると、
古い小さなビルが見えた。
うっかりすると通り過ぎてしまいそうな
階段を3階まで上る。
予約制の為だろうか?
ひっそりとしている入口をくぐると
突然、広々とした空間が飛び込んで来て
思わず足が止まった。
高い天井・不思議と落ち着く空気・・・
気が付けば、さっきまでの息切れも
静まっていた。
右手には、古い本棚。
本のジャンルは様々で統一感はまるでない。
その隣にはマガジンラック。
少し前の新聞や雑誌がいくつかあり、
そこには1人の女性の記事が・・・。
この人が、この店の女将?
-「こんにちは」。
気配なくどこから現われたのか、
振り向くとそこには、
写真と同じ女性が微笑んでいた。
「ピアノもあるんだ・・・」。
その女性の斜め後ろに
グランドピアノが見えた。
横にはちょっと変わった形のスピーカーが
並んでいる。
どうやらこの時間、
お客は私1人らしい。
「このお店のことは、
よく分からないけれど・・・
この人に、任せてみよう」
なぜか素直に、心は落ち着いていた。
-「
かがみ屋へ、ようこそ。
どうぞこちらへ」
温かい飲み物を差し出しながら
女将は静に話し出した。
私、女将の魔々(ママ)と申します。
「かがみ屋」では、
アルコールは一切お出ししておりません。
あなたが
「
ありのままのあなた自身」と
向き合う「
かがみ時間」をご提供するのが
この店のサービスです。
私は、そんな「
かがみ時間」のお供を
させて頂きます。
残念ながらお酌はいたしませんが・・・
どうぞ、
ごゆっくりお過ごし下さい。
---続きは『かがみ屋へようこそ』でどうぞ♪
この本は、事実と物語の両方が含まれた
紀々本です。
沖縄県那覇市久茂地2-12-24-3F ※電波堂ビル隣
studio紀々 http://kikism.net/studio/index.html